お互いの生活リズムを尊重しつつ、独立して暮らす

結局、1週間ぐらいでギブアップ。その後、昼は義父が自分で好きなものを用意して食べ、夕食は私がメインを4人分作り、先に義父にとり分けて届けるようにしたのです。

その代わり、日曜日、祝祭日、誕生日など特別な日の昼食は、必ずそろって食べました。これは、私のせめてもの気持ちでした。「嫁」の義務ではなく、好意でしたことです。多分、何もしなくても問題ではありませんし、義父が自分でやるのが嫌だったら外部の人を頼んだでしょう。

『フランス・ブルターニュで見つけたお金をかけない豊かな暮らし』(著:シャルバーグ八千代/大和書房)

フランスでも60年代までは、田舎だと三世代同居も当たり前だったといいます。主に主婦が上の世代の面倒をみていたそうですが、核家族化が進み、時代も変わりました。

食事を別にした分、夫は仕事から戻ると義父のところへ行き、ひとしきり話をするのが日課でした。といっても単なる世間話ではなく、政治や社会情勢についての議論をするのです。夫と話すのは義父の楽しみでもありました。

私は、日中留守を頼むとか、買い物に行くけど必要なものがないかと尋ねるとか、日常的な部分で繋がって、お互いの生活リズムを尊重しつつ、独立して暮らしました。