料理と教育は親でも不可侵

義母は自身の体験から、自分の息子がどんな女性を連れてこようが、すべて受け入れると決心していたそうです。それでというわけでもありませんが、私と義母の関係はまずまず良好でした。

言葉が完全に通じるわけではないので、多少の食い違いも起こりえました。でも、育ちも文化も違うのだから仕方がない。お互いそんな納得の仕方があったと思います。

義母がよく作っていたアーモンドケーキ。バターたっぷりでも重くはなく、日持ちするのも助かります。(写真:『フランス・ブルターニュで見つけたお金をかけない豊かな暮らし』より)

それに舅も姑も、あの年代には珍しく英語が堪能でした。だから、最初から最低限の意思疎通ができたのはラッキーでした。もし彼らがフランス語だけだったら、いい関係を築くのはかなり難しく、時間も要したと思います。

義母からフランスの習慣や料理など、いろいろ教えてもらえたのは助かりました。一方で、これも同じフランス人同士だったら、むしろ余計なお世話となってしまいます。

特に料理や子供の教育に関しては、不可侵の領域です。よほどのことがない限り、まず直接その問題に踏み込むことはしません。今の親は、義母のように息子や娘がそれぞれのパートナーと幸せならそれでいい、波風を立てる必要はないというスタンスです。