インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」では、心身の特徴を示す3つの性質で、その人の健康状態を捉えます。そんなアーユルヴェーダの観点から、夏の疲れが溜まった秋口に起こりがちな不調のケアについてご紹介しましょう(イラスト=おおの麻里 取材・文=鈴木裕子 構成=天田 泉)
乾燥、冷え、蓄熱による症状や痛みが出やすい季節
アーユルヴェーダは、サンスクリットで「生命の科学」を意味するインドの伝統医学。世界保健機関(WHO)でも、予防医学として正式に認められています。
「宇宙に存在するすべてのものは『地・水・火・風・空』の5つの要素から成り立つというのが、アーユルヴェーダの基本的な考え方です」と話すのは、アーユルヴェーダの知恵を生かしたケア方法を伝える、たつのゆりこさん。
「まずは、下の『アーユルヴェーディックケアのタイミング』を見てみましょう。アーユルヴェーダでは、人間の心身の特徴(3ページのドーシャのチェックリストで確認)や、年齢、1日の時間帯、季節において、それぞれヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャ(生命エネルギー)があると捉えます。ドーシャの移り変わるタイミングは、心と体のバランスを崩しやすい時期なのです」(たつのゆりこさん。以下同)
『婦人公論』世代の女性は、年齢によるバランスの乱れや、季節の移り変わりによる影響を受けやすいと言います。
「年齢からみると、更年期はピッタからヴァータへ移行する不安定な時期に当たります。さらに季節的にみても、秋口はピッタからヴァータへの移行期。ドーシャがダブルで移り変わるタイミングとなるこの時期は、より不調が出やすいため、注意が必要です」