【藤原】一緒に同じところを探す

「どうせ、見つからないわよ」と突き放してしまっては、関係はこじれて不安が増すばかりです。

「一緒に探してみましょう」と言って、別々の場所ではなく、同じ場所を具体的に「新聞紙をどけてみるね」とか「タンスの1段目から見てみるから、お母さんはそばで確認していて」と、「できるだけ一緒に」を心がけてください。

深い猜疑心がある方は、「あった!」と探し物を先に見つけても、「あなたが隠したのだから探せるはず」などと言われかねないので、あくまでご本人が見つけたという形をヘルパーは演出しています。

ご家族にこれをお願いするのは大変なこととわかってはいますが、ご本人のプライドを傷つけない対応が大事なのです。

『認知症の人の「かたくなな気持ち」が驚くほどすーっと穏やかになる接し方』(著:藤原るか・坂本孝輔/すばる舎)