ことの是非より、妻の気持ち

互いを尊重して、譲り合おう。道徳的で、美しいことばだけど、残念ながら、夫婦はそんな関係にはなれない。夫婦は、生殖と生存の核になるペアだからね。

「命の直感」をぶつけ合って、やや強引にことを進め合い、折り合いがつかなければ、憎み合って背と背を向けるのが正しいのである。―50代まではね。

『60歳のトリセツ』(著:黒川伊保子/扶桑社)

そう、思い出してほしい。私たち60代は、もう生殖の役割は終わったのである。もう、そこまで激しくやり合うこともなくない?

男性は、妻に対して、ことの是非を言い募る。妻が悲しんでいるのに、「きみも、こうすればよかった」「向こうの言うことにも一理ある」とか一撃を加えてくるけど、あれって、必要?

妻が悲しがっているのなら、ことの是非はひとまず置いておいて、「つらかったね。頑張ったね」と言ってあげればいい。生殖期間は終わったので、「命の直感」をぶつけ合って、憎しみが湧くような喧嘩をしなくてもいいのだもの。