生殖プログラムを終了させよう
でもね、生殖期間を終えてなお二人で生きていく夫婦には、無駄とは言わないが、過剰なのである。生殖しないのに、生殖のプログラムを踏襲するなんて。
男がことの是非を言い募り、女が感情を溢れさせて言い争うのは、生殖期間中は、生殖を完遂させるための大事な演算だけど、もう完遂してしまった二人が生きていくには、乱暴すぎる。
男性も女性も、ことの是非をぶつける前に、相手の感情を大事にしてみない?
妻が(夫が)、自分に起こったつらかったこと、腹立たしいこと、痛かったことを訴えたら、「それはつらかったね」「それは腹立つよね」「痛かったでしょう?」と、相手の形容詞を反復すること。
同意できないことなら(「いやいや、この人、間違ってる」と感じたなら)、「そうか」「そうなんだ」「そんなこと、あるんだなぁ」と受けてあげればいい。同意してくれたわけじゃないけど、心に寄り添ってくれているのがわかるから。
※本稿は、『60歳のトリセツ』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『60歳のトリセツ』(著:黒川伊保子/扶桑社)
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