中野先生「長い人生、本音だって変わっていく」と言いますが――(撮影:尾関祐治さん/写真提供:日経BP)
現代のインターネット社会では、「本音を言うのが正義」、「論破するのが最上」といった雰囲気が形成されてきましたが、場合によっては相手との関係性が壊れてしまいますよね。脳科学者の中野信子先生は、言いたいことを言うけれども、相手を直接傷つけたり、関係性を破壊してしまったりしないコミュニケーション方法を提案しています。その中野先生「長い人生、本音だって変わっていく」と言いますが――。

相手をやり込めても、逆恨みされるかも

今回、「エレガントな毒の吐き方」について考えるに当たって、インターネットでアンケートをとりました。

「難しいシチュエーションなのに、こんな風にやり取りしていてすごいな」と思ったこと、逆に「これはちょっと」と思ったことなどを総計250人の方に回答していただきました。

ご協力くださった皆様、ありがとうございました。ただその回答を見ていて、気になったことがありました。

「難しいシチュエーションで、スカッと相手をやり込めた」という例を挙げた回答がそれなりの数、含まれていたのです。

スカッと相手をやり込める、というのは、相手を打ち負かしてそのあとのことを考えないということでもあります。

もう二度と会わない人が相手であればいいかもしれませんが、それにしても逆恨みされて、何らかのリスクを負うということになりかねません。