一方の内臓脂肪は、その名の通り内臓を覆うようについているもの。お腹は巨大な空洞になっており、その中に胃や腸、肝臓などたくさんの臓器が存在しています。しかし、人は直立しているため、重力によって臓器がずり落ちかねません。

そこで、臓器の隙間を内臓脂肪で埋めることで固定しつつ、内臓を守るクッションの役割を果たします。内臓脂肪は臓器の周りという体の深い部分に蓄積するため、見た目では判断がつきにくいのが特徴です。

このように、皮下脂肪も内臓脂肪も重要な働きがあるため、ほどほどの量であればむしろないと困ります。しかし、脂肪が増えると体重が増加し負担がかかって、足腰を痛める原因に。

さらに、そういったわかりやすい弊害のほかに、実は内臓脂肪は、病気を引き起こしかねないので注意が必要です。

私は内科医として、健診センターでのべ20万人以上もの健康診断を行ってきました。そこで糖尿病をはじめ、さまざまな病気の人を診て気づいたのが、そのほとんどの人にかなりの量の脂肪、特に内臓脂肪が蓄積されているということでした。