イメージ(写真提供:photo AC)
「脂肪」と一口に言っても、皮下脂肪と内臓脂肪があるのをご存じでしょうか。お腹がポッコリ出てしまうだけでなく、《隠れ肥満》の原因にもなるのが内臓脂肪。放置するとさまざまな病気を引き起こすリスクがあるのです(構成=吉川明子 イラスト=豊岡絵里子)

<前編よりつづく

どうやって
確認したらいいの?

見た目ではわかりづらい内臓脂肪が、どれくらい付いているかを調べるにはどうしたらいいのでしょうか。

本当ならば、腹部CTスキャン検査でお腹の断面を撮影するのが一番ですが、受けられる病院も限られるし、費用もかかります。そこで目安になるのが、女性の場合(1) 腹囲90cm以上 (2) 20歳の頃から体重が10kg以上増加した (3) 血圧、血糖値、中性脂肪の数値が基準値を超えている、の3つです。

(1) は、2008年から始まった「メタボ健診」の基準値。健康診断を受けている方はよくご存じかと思います。「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」が問題になり、その予兆を調べるための簡易検査として、腹囲の測定が導入されました。

統計上、心臓病のリスクが高まる値を割り出して設定された基準値ですが、これでは隠れ肥満の人は気づけません。そこで確認しておきたいのが(2)と(3)。

私たちの体は20代前半までにおおむね完成します。つまり、皮下脂肪も内臓脂肪も、この頃の量が適正であると言えるのです。若い時と比べて体重が10kg以上増加したのであれば、それはほぼすべて脂肪と言え、さらにそのうち6割は内臓脂肪であると考えてよいでしょう。

(3) については一部血液検査が必要になりますが、まさに危険信号なので重要。見た目はスリムでも、血圧や血糖値、中性脂肪の値が高ければ、内臓脂肪が必要以上に多くなっているという、動かぬ証拠です。