友だちがたくさんいるように見える人も、誰もがさみしさを抱えるときがあるもの(写真提供:Photo AC)
2021年、孤独・孤立に関する初の全国実態調査が政府によって行われました。それによると、ほぼ3人に1人が何らかの形で「孤独感がある」と回答したそうです。一方で「さみしさは人類が生き延びるための本能であり、心の弱さではありません」と語るのは、脳科学者の中野信子さん。中野さんは「友だちがたくさんいるように見える人も、誰もがさみしさを抱えるときがあるもの」だと言っていて――。

誰もがさみしさを抱えるときがある

ぼっちといわれて嫌な気持ちになったり、「自分はさみしい人間なのだろうか」と思ったりしてしまうのは、学校や家庭における刷り込みの影響が意外に強いことにあらためて気づかされるのではないかと思います。

さみしいという気持ちや、その状態を望ましくないとする考え方も、一面では意味のあるものではありますが、刷り込みによる思い込みの可能性も考慮して、少し冷静にこの感情を捉えてみるのはいかがでしょうか。

友だちの有無や多寡によって、その人の価値が変わるわけではありませんし、ましてや友だちの数とは、SNSのフォロワー数でもありません。

そして、友だちがたくさんいるように見える人も、誰もがさみしさを抱えるときがあるものなのです。