関係のあり方は様々

たったひとりだけれど、なんでも話せる親友がいる。年齢が離れていて気軽に友とは呼べないが深く濃い話ができる知人がいる。尊敬する先輩、話をよく聞いてくれる行きつけの店のオーナーがいる。

関係のあり方は様々です。数が多ければいいというものでもありませんし、人間同士の絆の強さを数値化して測れるものでもありません。

『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』(著:中野信子/アスコム)

もちろん、他者が口出しできるようなものでもないはずです。

ただ単に連絡先を知っているだけ、SNSでつながっているだけの友だちが何千人、何万人いても、それはただの“友だちという記号”であり、情報に過ぎません。

無理に友だちをつくろうとしたり、どこかのグループに属していたほうがいいからとあれこれ忖度して付き合いを広げようとしたりしても、自分にとって本当に安心できる相手でなければ、さみしさを紛らわすことはできませんし、かえって孤独感が強まってしまうかもしれないのです。