友だちの条件は「理解」「共感」「対等」

すぐに友だちをつくれなくても、じっくりと時間をかけて自分に必要な関係性を大切にすればそれでいいのです。

友だちがいないといけないという刷り込みから無理に友だちをつくろうとして、さらにさみしさを感じる場面を増やしてしまうこともあるのです。

「友だち」の意味を辞書で調べると、おおよそ、「気心が知れて、気が合って、対等に交流できる人」といった説明になるようです。

つまり、お互いの気持ちを理解し合えて、価値観も近い、あるいは同じで、お互いに上下がない関係となります。

「理解」「共感」「対等」という、この3つの条件を満たす人は、そうやすやすと、そんなにたくさん見つかるものではないのですから、むしろ友だちの数が多過ぎる人のほうが逆に怖い存在かもしれませんよ。

※本稿は、『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』(アスコム)の一部を再編集したものです。

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人は、なぜさみしさに苦しむのか?』(著:中野信子/アスコム)

さみしさは心の弱さではない。
生き延びるための本能-。
人類は、なぜ「さみしい」という感情を持つのか?
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