稲垣先生曰く、雑草と呼ばれる植物は、基本的に「弱い植物」だそうで――。(写真提供:Photo AC 以下全て)
朝ドラ『らんまん』では、日本植物分類学の基礎を築いた一人・牧野富太郎博士をモデルとした主人公、牧野万太郎が日本各地で植物を採取し、植物図鑑を完成させるまでの生涯が描かれました。ドラマ内では「雑草という草はない」という名言も飛び出しましたが、植物学者として、むしろ“雑草戦略”で生き抜いてきたのが静岡大学教授で作家、「みちくさ研究家」の稲垣栄洋先生です。ただ稲垣先生曰く、雑草と呼ばれる植物は、基本的に「弱い植物」だそうで――。

ジャングル芋掘り

ある十月の日曜日。どこから呼んできたのか、子どもたちが集まった。子どもたちと関わる学生サークルの協力で集めたらしい。

男の子も女の子も、雑草だらけの畑を前に立ち尽くしている。そんな中、研究室の先輩が子どもたちに呼びかけた。

「この畑の中にサツマイモが隠されているよ! さぁ、サツマイモを見つけよう!」

ジャングル芋掘りの始まりである。

ジャングルのように生い茂った草むらの中をかき分けて、サツマイモを見つけるのだ。

どこにあるか、わからないから宝探しゲームのようでもあって、子どもたちは大喜びだ。飛び跳ねるバッタを追いかけている子どももいる。

こんな雑草の中でも、サツマイモはしっかりと芋を作っているからすごい。思った以上にたくさんのサツマイモが収穫できた。