無駄なく栄養を摂るための知恵

バランスよく食べることはもちろんですが、さらに効果をアップさせるために「食べ合わせ」というテクニックがあります。これは、2つ以上の食材を組み合わせて摂る食べ方で、吸収率がアップする「相乗効果」と、お互いのもつ効果が強化される「相加効果」があります。

相乗効果のある食べ合わせとは「かけ算」のような食べ方で、たとえば豚肉のビタミンΒとニンニクのアリシンを一緒に摂ると吸収力がアップし、疲労回復効果があるというもの。一方、相加効果は「足し算」の食べ方になります。さつまいものビタミンEとブロッコリーのビタミンCはどちらも抗酸化作用があり、体内で助け合う効果があるのです。ちなみに、緑黄色野菜の多くは、ビタミンCとEが両方含まれています。

また、不足しがちなミネラルやビタミンの栄養素を、無駄なく吸収するのにもコツがあります。造血作用のある鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収力がアップ。骨粗しょう症対策に不可欠なカルシウムは、ビタミンDのサポートにより吸収されやすくなります。鉄もカルシウムも、もともと吸収されにくい栄養素なので、サポーターになるビタミンCやDと一緒に摂らないとほとんどが吸収されずに排出され、もったいないことに。

ビタミンAは、β-カロテンが体内で変化したものですが、脂溶性のため炒め物やオイルドレッシングで吸収力をアップできます。ビタミンCとEは体内で助け合う強力なパートナー。レモンとアボカドや、じゃがいもとオリーブオイルなどはとても好相性。「ちょい足し」のような食べ方でも十分です。

【2】冷え 血液サラサラ成分に温め食材をプラス
 ショウガ、ニンニク、唐辛子で体を温めて

夏のエアコンは冷えを加速させます。血行促進効果のある食材を摂りましょう。タンパク質やビタミンC・Eは血管をしなやかにする効果があり、鉄には造血作用が。体の隅々まで血液を行き渡らせることで、冷えを改善します。鉄分を摂りたいときは、必ずビタミンCもメニューの中に入れましょう。