松田 そこから10年以上の時を経て、週刊誌でのロングインタビューの連載で再会して、それが膨らんで、今回の本(『水谷豊自伝』)に繋がりましたね。これまでにない企画でしたが、どうして引き受けてくれたのですか?
水谷 最初のインタビューが楽しかったので、もっとマミさんと話したいなと思ったんです。
松田 トータルで1年半くらいかけてインタビューしましたね。
水谷 半世紀近い僕らの関係性があるから、つい、雑談に流れがちに。本のタイトルは『長い雑談』かなって(笑)。でも、後からメールでマミさんから質問がいっぱい届いたでしょう。その答えを探すことで、自分自身と向き合う時間を持つことができました。昨年、古稀を迎えたので、人生を振り返るいいタイミングだったと思います。
松田 幼少期のことも、初めて伺うことができて。小学生でタイマン(1対1の喧嘩)を張るようなちょっとヤンチャな男の子が、いかにしてすばらしい役者になったのかがわかりました。人との縁で道が開けていったんですね。
水谷 本当に人の縁に恵まれていたと思います。おかげで今まで仕事を続けてこられたのだと、改めて実感しました。