平松先生「知らない間に目を掻いているような人はご注意を」(写真提供:Photo AC)
環境省が公開している「花粉症環境保健マニュアル2022」によると、約3人に1人がスギ花粉症と推定されるそう。そんな花粉症の症状の一つに目の痒みがありますが、「目を掻いてしまうと網膜剥離になりやすい」と話すのは、眼科専門医・医学博士の平松類先生。今回は平松先生に「目のトリセツ」について解説していただきました。先生いわく「高齢になると、飛蚊症を訴える人が多くなる」そうで――。

虫が飛んでいるように見えるのは?

加齢による見え方の変化の1つに、黒い点のようなものが見えることがあります。

視線を動かすと蚊のような小さな虫が飛んでいるように見えることから「飛蚊(ひぶん)症」と呼ばれています。

高齢になると、飛蚊症を訴える人が多くなってきます。

その原因は、硝子体の汚れです。硝子体とは、水晶体の奥にあるゼリー状の部分のことをいいます。年齢を重ねると、この部分に汚れが出てくるのです。目の老化現象の1つですね。

ではその汚れの原因は何かというと、加齢によるシミのようなものができていることがほとんどです。

その場合はとくに問題はありません。気にしないようにすれば、そんなにわずらわしく感じられないと思います。