中学生になったばかりで、どうしても学校に足が向かなくなった少女まいが、ママのママ、つまりおばあちゃんのもとでひと月あまりを過ごす。まいは、そこで大好きなおばあちゃんから、「魔女」のてほどきを受ける…という話である。
1994年の発行以来、読み継がれてきたこの作品は、教科書に掲載されたこともあるベストセラーとなっている。
この『西の魔女が死んだ』がリーディングドラマとして生まれ変わることが決まった。台本・演出は笹部博司。そして出演は、芸歴60年のミュージカル女優前田美波里と乃木坂46出身で活躍の場を広げつつある生駒里奈の2人。75歳と28歳。祖母と孫を演じることになる2人は、この日が初対面。すぐに打ち解けながらビジュアル撮影をする2人に話を聞いた。
いじめにあってしまった
前田 私はテレビで生駒さんがお歌を歌っていらっしゃるところを拝見しておりました。実際にお会いするとずいぶん感じが違うわ。お肌がお人形さんのように白くて、とってもかわいいわ。
生駒 美波里さんは、ゴージャスなバービー人形のようです!(笑) 私は、美波里さんを舞台で拝見していて、もっと大きい方だと思っていました。実際にお目にかかったら、こんなに細くて小顔で…。
前田 年をとって縮みましたかね?(笑) 今でも169cmあるんですけどね。
生駒 この作品、私は小学生のときに読んでいました。そのころは、あまりよくわかっていなくて、ファンタジーなのかなという印象で、「ああ、魔女は出てこないんだ…」と思ったりして…。(笑)
前田 私は孫の小学校の教科書で読みましたよ。(笑)
生駒 物語の主人公のまいちゃんは、中学校に行けなくなってしまって、おばあちゃんの元でひと月あまりを過ごすことになります。
実は、私は小学校のときにいじめにあってしまったので、学校に行けなくなったまいちゃんの気持ちがよくわかるんです。
前田 いじめにあったって、どんな?
生駒 私は秋田の出身なのですが、小学校5年生のときに、それまで仲良くしていて、昨日まで「おはよう」と言い合っていた友だちから、翌日、急に無視されて…。わけがわかりませんでした。いじめはだんだんエスカレートしてきて、ロッカーの中の荷物が床に散乱していることもあったりして、私は完全に独りぼっち。もし、母に話したらすごく心配されるのはわかっていたから、家族を悲しませたくなくて、一切何も言わずに学校には行き続けてたんです。
前田 それはつらい経験をしちゃいましたね。
いじめたほうは、けっこう覚えていなかったりするんでしょうね。
生駒 そうなんですよ!
それから何年もたって、乃木坂46のセンターを務めるようになって、初めて紅白に出場した直後に成人式があって、地元に戻ったことがあったんです。私はちょっとしたヒーローで、みんなが周りに集まってきたんですが、当時、私をいじめていた同級生たちも寄ってきて「乾杯しようよ!」などと言ってきた。あんなにいじめていたこと、覚えてないんだとびっくりしましたね。でも、「私のこと、覚えてるよね」と言われたときに、思い切り「全然!覚えてない!」とグラスをテーブルにポンと置きました。(笑)