(写真提供:Photo AC)
大河ドラマ『どうする家康』『麒麟がくる』などには著名な戦国武将が登場します。しかしその裏に、もっと注目されてもいい<どんマイナー>なご当地武将が多く存在する!と話すのが「れきしクン」こと歴史ナビゲーター・長谷川ヨシテルさん。長谷川さんがそんな彼らの生涯をまとめた著書『どんマイナー武将伝説』のなかから、今回は「謎の天才軍師・白井浄三」を紹介します。

上杉謙信を破った天才軍師

“戦国最強の武将”のアンケートを取れば、必ず上位にランクインしてくるのが上杉謙信です。

軍記物だけでなく史実でも確かに強かった上杉謙信ですが、唯一敗戦を喫した合戦が千葉県に伝えられています。それが1566年(永禄9)3月23日の「臼井城の戦い」です。

上杉謙信(当時の名は輝虎)の本拠地は越後(新潟県)でしたが、敵対する小田原城(神奈川県小田原市)の北条家との戦いのため、毎年のように三国峠を越えて関東に攻め込み、北条方の諸城の攻略に取り掛かっていました。

この年も正月から関東に進軍すると、2月に北条方の小田氏治の小田城(茨城県つくば市)をあっという間に攻略。

続いて臼井城(千葉県佐倉市)に攻め寄せました。臼井城を守るのは原胤貞。下総(千葉県)の有力大名だった千葉家(北条家に従属)の家臣でした。上杉軍を前に絶体絶命!

そんな不利な戦況から大逆転して上杉謙信を破ったといわれているのが、謎の天才軍師・白井浄三だったんです。