「とくに病気はないのに体がだる重い」「午後になるとどっと疲れが」「睡眠時間を確保しているのに眠気がひどい」…。原因がよくわからないながら、こうした心身ともに冴えない症状を訴える人が増えていると糖尿病をはじめとする生活習慣病・肥満治療のためのクリニックを東京・銀座で開業する牧田善二先生は言います。一方で多忙な名医ほど「食事」を活用して疲労回復しているそうで――。今回、先生の著書『疲れない体をつくる最高の食事術』から一部引用・再編集してお届けします。
痛くも痒くもない糖尿病
糖質過多の食生活を送っていれば、血糖値が上がり「糖尿病」になりやすいというのは想像がつくでしょう。現在、日本には約1000万人の糖尿病患者がおり、その予備群も含めると2000万人を突破すると言われています。
予備群の段階で適切な手を打てば健康体に戻ることも可能ですが、多くの人が「血糖値が高い」と指摘されても放置します。
それどころか、明らかな糖尿病で「今すぐ治療が必要ですよ」と言われても、病院に行かない人がたくさんいるのです。
というのも、糖尿病自体は痛くも痒くもないからです。
血糖値が300を超えるくらいから喉の渇きなどを感じ、500を超えてしまうと意識障害などを起こして命に関わります。しかし、200くらいまでならなんの自覚症状もありません。