(撮影:村山玄子[写真のレコード・蓄音機はすべて高氏さんの所蔵品]/イラスト素材:illust AC)
1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、家で気軽に音楽を楽しめるようになりました。日本では1903(明治36)年にSPレコードが輸入されて以来、音楽がより身近に。終戦後は「東京ブギウギ」などの大ヒット歌謡曲が人々を元気づけました。黎明期から製造中止期までに作られたSPレコードを小学生の頃から集めている高氏貴博さんのコレクションから選りすぐって紹介します。
(構成=田中亜希 撮影=村山玄子 写真のレコード・蓄音機はすべて高氏さんの所蔵品)

箱型の蓄音機が目に留まり

私は35年前から、蓄音機で聴くSPレコードを集めています。出会いは小学5年生の時。社会の授業で「家にある古いものを持ってくるように」と言われたものの、うちには古いものがなくて。

そこで近所の骨董店を訪れると、箱型の蓄音機が目に留まりました。これでレコードを聴けるの? と興味が募り、お小遣いで購入したのです。

 

国産のラッパ型蓄音機「ニッポノホン35号」。ラッパが付いたものは初期のタイプで、明治後期から大正にかけて製造された

 

同じ店で、若山彰さんが歌った「喜びも悲しみも幾歳月」(1957年)のSP盤を買い、蓄音機で聴いてみたところ、たちまち当時の音楽の虜に。

そこから収集を始め、高校生になる頃には約1000枚を所有。今では5万枚近くに増え、家中がレコードだらけです。(笑)