『デューン/砂の惑星/Part1,2』のBlu-rayディスク
写真・イラスト提供◎さかもとさん 以下すべて
1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!(写真・イラスト◎筆者)

作品本来の情感や文学性

「うわ、何この虫?こわっっっっ!!」

『デューン/砂の惑星』を見て、すっかりのめり込んだのは、特撮による映像美と壮大な世界観、「サンドワーム(砂虫)」の怖さに圧倒されたからだ。

そもそも私はホラーと特撮物があまり好きではない。ホラーは、本当に怖くないとコメディになってしまう。小学生の時『オーメン』や『エクソシスト』を見て、まあまあ怖いとは思ったが、首が回転したりする西欧の幽霊は日本人には何かコミカルで、笑うべきか、怖がるべきか、戸惑った記憶がある。50年も前の特撮がイマイチだったせいもあるだろう。

逆に特撮が行き過ぎてもひいてしまう。私は「キングコング」が大好きなのだが、2005年版はこの理由で好きになれなかった。CGやりすぎ映像と不気味すぎるクリエイチャーは、作品本来の情感や文学性を奪い取ってしまう。