内閣府が令和5年に行った「国民生活に関する世論調査」によると、60~69歳の人が最も多く答えた悩み・不安の内容は「老後の生活設計について」だったそう。しかし「60代になったからといって『それらしく振る舞わなきゃ』と行動を制限する必要はない」と語るのは、SNSのフォロワーが10万人を超える71歳のプロダクトデザイナー・秋田道夫さん。今回は、秋田さんの著書『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』から、60歳から毎日を機嫌よく過ごすための生き方を一部ご紹介します。
なんでもない道を歩いた時に、どう感じるか
「現役を退いてからも、頑張っていきいきと輝き続ける」
そのような価値観があるようです。
実際、書店さんに行くと、そういった勇ましく前向きな題名の数多くの書籍にお目にかかることができます。あなたも、そういった気分でおられるかもしれません。
そんなあなたはおそらく、ひとかどの人物でしょう。
何事かを成し遂げ、世間的な評価も獲得し、誇れる立場を得た方なのだと思います。
多くの経験を積んできたし、物質的に豊かだし、資産だってある。
これからの人生で、もうひと花もふた花も咲かせられる……。
そんなプラスの青写真を描いていらっしゃるとお察しします。「人生100年時代」といいますから、60歳前後でもそれくらいの気概に満ちていて、ちょうどよいのかもしれません。
そんなポジティブな姿勢が、素のあなた自身であるならば。違和感を持たずにおられるなら、まったく差し支えはありません。
でも、もしそうでないのなら。少し立ち止まってみてもよいのではないでしょうか。