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日本生活習慣病予防協会の発表によれば、いわゆる肥満に該当する人は男性 の33.0%、女性 22.3%(2020年12月発表)に。健康管理維持を考えれば、肥満対策はもはや日本人全員の課題とも言えそうです。一方、テレビでも人気の谷本道哉先生は70歳まで働けるカラダを維持することを目標に掲げ、各種の運動や体操を提唱してきました。その先生いわく、「階段を使わないのはとてももったいない!」そうで――
階段はスゴイ
運動不足がもはや「国民病」とも言えそうな昨今、あらためて注目したい日常でよく使う“場所”があります。それが階段です。
この連載の第一回でも触れましたが、階段を積極的に使うことは運動面で、とてもおすすめです。
階段の上り下りは筋肉に刺激を与えるトレーニングとしての効果が高いうえ、うまく使えば糖尿病予防効果まで期待できてしまうという優れた運動なのです。
2階や3階くらいまでならエレベーターやエスカレーターではなく階段を使いましょう。とはいえ、「階段を積極的に」といわれても、あまり体を動かしていなかったり、エレベーターに慣れすぎた人にとっては簡単ではないかもしれません。
そこで、階段をスイスイ上るのに役立つ、ちょっとした体の動かし方のコツを紹介しましょう。筋肉、腱のバネを利用した「反動動作」を使った階段の上り方です。
私たちの筋肉・腱には、弾性力、つまりバネ作用があります。これを上手に使うと、体を要領よくダイナミックに動かせるようになります。このバネ作用を生み出すのが「反動」を使った動きです。
バネを使った反動動作のポイントは、お辞儀をしてから体を起こす動作へと「動きを切りかえす瞬間」にポンと力を出すことです。「よいしょ!」という声が出ることがありますが、切りかえしで強い力を発揮するときに、つい声が出るのです。
ですから、「よいしょ!」は、反動を使った動きでうまく力を発揮するためのかけ声といえます。年寄りくさいと思わないでください。むしろその声こそ、活動的に体を動かせている証拠。「よいしょ!」をどんどん使っていただきたいと思います。
試しに、この反動動作を少し大げさにして椅子から立ち上がってみてください。反動をバネにしてすっと立ち上がるという感覚がよくお分かりになるはずです。