近年の物価高や不景気の影響で、「周囲の人に優しくできる<精神的なゆとり>をなかなか持てない」という方もいるのではないでしょうか。そのようななか、精神科医の和田秀樹先生は「こんな時代だからこそ、『優しさとは何か?』を改めて見つめ直す必要がある」と指摘しています。そこで今回は、和田先生の著書『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』から、毎日を前向きに過ごすためのヒントを一部ご紹介します。
自分を犠牲にしている人ほど、人に厳しくなる
自分を犠牲にすると、ストレスや欲求不満によって、人の気持ちを想像する余裕が持てないだけでなく、人に対して厳しくなる傾向があります。
自分を犠牲にするというのは、「自分で自分に我慢を強いる」ことですから、その我慢の「捌(は)け口」が、周囲の人に向かってしまうのです。
意外に思うかもしれませんが、現在、社会問題になっている「ブラック企業」が生まれる背景にも、こうした我慢が関係しています。
ブラック企業というのは、トップの方針によって、会社ぐるみで社員に厳しい待遇を強いているケースはごく一部です。