「頑張らせていただきます」「お名前様、いただけますか」「書類のほうをお送りします」…丁寧に言おうとして、おかしな日本語を使っていませんか?そんな中「盛りすぎないほうが誠実で潔い!」と断言するのが京都暮らしのコピーライター前田めぐるさんです。今回は、著書「その敬語、盛りすぎです!」より一部を抜粋して紹介します。
「CDを出(だ)させていただきさせて、歌合戦にも出(だ)させていただきました」
「『させていただく』を使いすぎだと言いたいんでしょ。盛りすぎなのは自分たちでも分かっているよ。でもダメだと分かっていても使わないと落ち着かないんだ。
『CDを出せました』と言えばアンチから、自力で出せたような顔をするなって言われそうだし、第一応援してくれるファンに対しても失礼な気がするし。
それ以外で、丁寧に言う方法なんてあるの?」タレントやアーティストから直接聞いたわけではありませんが、才能ある賢明な彼らの中にはこう感じている人も多いのではないでしょうか。
誹謗中傷が飛び交う現代、ファンや周囲に気配りしすぎて、敬語を盛りすぎてしまうのも無理からぬことかもしれません。
とはいえ、視聴者にとって耳に付く言い方であるのも確か。
「今年はCDを出(だ)させていただき、歌合戦にも出(だ)させていただきました」いくらファンに感謝しているからといって、やはり過剰な敬語です。
また厳密に言えば「歌合戦にも出(だ)させて」は「歌合戦にも出(で)させて」が適切です。