歌手、俳優の美輪明宏さんがみなさんの心を照らす、とっておきのメッセージと書をお贈りする『婦人公論』に好評連載中「美輪明宏のごきげんレッスン」。
9月号の書は「秋の色哀し そはうす紫よ 二人で歩まむ 都のはずれを」です。
9月号の書は「秋の色哀し そはうす紫よ 二人で歩まむ 都のはずれを」です。
私の「うす紫」という曲
私はシンガーソングライターの先駆けとして、20代の頃から作詞作曲をし、歌ってきました。リサイタルなどで歌う「うす紫」も、その一曲です。
秋の色哀し そはうす紫よ
「うす紫」は、そんな一節から始まります。愛し合っているのに結ばれることのない相手への切ない思いを紫色に託し、秋の街の風情と重ねました。この曲を書いた時代、同性愛者は世を忍ばなくてはいけなかった。男女の恋人のように、大手を振って共に生きることは叶わなかったのです。