上手に精神医療にかかるために…(写真提供:Photo AC)
WHO(世界保健機関)の推定では、うつ病患者は人口の約3%いるとされており、心を病む人の人数は年々増加の一途をたどっています。精神科医・心療内科医の数は増え、メンタルクリニックも増えているのに、メンタルを病む人がなかなか良くならない「本当の理由」とは何なのでしょうか?よりよい医療を受けるためのヒントを、精神科医 和田秀樹氏著書『「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由』から一部を抜粋して紹介します。

上手に精神医療にかかるために

日本の精神医療が崩壊寸前、もしくはすでに崩壊状態にあることは、おわかりいただけたと思います。

そんな状況の中で、読者のみなさんが一番知りたいのは、自分、または自分の周りの人、がメンタルの不調を覚えたとき、「いったい、どうすればいいの?」「どこの医療機関を受診すれば安心なの?」「どんなお医者さんが、いいお医者さんなの?」といったことでしょう。

日本では、メンタルヘルスのことが一般の人たちの間で気軽に語られるようになったのは、わりと最近のことです。

長い間、心の病についてはアンタッチャブルのように扱われてきた歴史があります。そのため、メンタルに支障が生じたときの対応について、正しい知識と理解があまり得られていません。

それをサポートするしくみについても知らない人が多いでしょう。

そこで、私のところに寄せられた患者さんの声をもとに、Q&A形式で精神医療の上手なかかり方をまとめてみました。

脆弱で危うい今の日本の精神医療ですが、少しでもまともな精神医療にかかることができれば、メンタルの不調を改善できます。