2024年11月10日、大相撲九州場所が福岡国際センターで初日を迎えた。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

前回「大相撲秋場所が終盤戦突入。11日目も大の里の爆走が止まらず単独連勝キープ。連日、時短相撲で圧倒!歴史的なちょん髷の大関誕生か?!」はこちら

唯一無二の力士

大相撲九州場所が福岡国際センターで初日を迎えた。

横綱・照ノ富士は、糖尿病の悪化と膝痛と腰痛で休場。今年は初場所と名古屋場所で2回優勝したが、秋場所に続き2場所連続休場となり残念だ。

新大関・大の里は、9月25日の大関昇進伝達式の時に「唯一無二の力士を目指し相撲道に精進します」と、口上を述べた。大の里は新入幕から大関までが5場所という最速出世で第1位。昭和33年以降(年6場所定着以降)では横綱・大鵬の6場所を抜いている。髪が伸びるのが間に合わず、「ちょんまげの大関」というのは既に「唯一無二」だ。

初日は、前頭筆頭・平戸海に攻め込まれたが、土俵際で突き落としての逆転勝利。幕内3回目の優勝が果たせるかが見もの。

NHK大相撲中継の専属解説者となった琴風さん(元大関・琴風、引退後は尾車親方)は、先場所のがむしゃらに勝つ相撲と初日の相撲を比べて「大の里も人の子だったんでしょうね」と語った。そして、審判を務める師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の隣りに勝ち残りで坐った大の里に対して、「(二所ノ関親方に)叱られるか、喝を入れてもらえる」と話していた。