アイドルからオートレーサーに転身した森且行さんを描いたドキュメンタリー映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』が11月29日に全国公開。それに先駆け11月11日に新宿ピカデリーで完成披露上映会が行われ、森且行さんと穂坂友紀監督が登壇。映画化までの道のり、完成した本作への思いを語った
24年目で手にした日本1位
1996年、トップアイドルからオートレーサーへの転身を果たした森且行さん。当時は声援だけでなく、ヤジを飛ばされることもあったそう。それでも諦めることなく、高い目標を掲げて走り続けて24年、2020年にオートレースの最高ランクで優勝を果たし、悲願の日本1位の称号を手にした。
しかしその喜びも束の間、優勝から82日後のレース中に落車し、命が危ぶまれるほどの大怪我を負うことに。4度の手術により一命をとりとめたが、歩けるかどうかもわからない状態だったという。
その時、穂坂監督は森さんに落車後初となるインタビューを依頼(TBS『あさチャン!』にて)。復帰が望めるような状態ではない中、森さんはカメラの前で「復帰します」と宣言。その人間性に惚れ込んだ穂坂監督は、交渉の末に密着取材を始めた。
森さんは厳しいリハビリを続け、落車から1年後に5回目の手術を行い、背中に入っていたプレートと総重量250gのボルトを摘出。右足の麻痺の完治には至らなかったが、その後もレース復帰を目指して、トレーニングに励み続けた。
穂坂監督は、その様子を収めた『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』を2023年の「TBSドキュメンタリー映画祭」に出品。
上記の作品までには間に合わなかったが、2023年4月、落車から約2年3ヵ月を経て、ついにレース復帰を果たした。