「自律神経は50歳を過ぎると、野生動物であれば自然界で生きられないレベルまで下がる」――。そう語るのは、自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授です。避けて通れない<老い>の真っただ中で、自律神経を整えて楽しく過ごしていくためには、どのような習慣を身に付けたら良いのでしょうか?今回は、小林教授の著書『老いが逃げていく10の習慣 自律神経さえ整えばすべてうまくいく』から、すぐに実践できる<老いない習慣>を一部ご紹介します。
ほとんどの人は20%で生きている
スポーツ医学の立場から、アスリートのアドバイザーをしてきましたが、アスリートのトレーニングには次の三つのアプローチ法があります。
(1)ストレングス:筋力を鍛え、技術を向上させるトレーニング
(2)ケア:故障などでマイナスになった部分をゼロに戻すトレーニング
(3)コンディショニング:実力を発揮するために状況に合わせて調整するトレーニング
アスリートは、トップに近づけば近づくほど、同レベルの実力を持つ者同士が競い合う世界。持っている力を100%出し切れない限り結果を出すことができません。だからこそ、(3)のコンディショニングが大切になってきます。
このコンディショニングこそ、自律神経に関わる部分で、アスリートに限らず、誰もが日常生活に取り入れるべきだと、私は考えています。
具体的には、自分の行動や暮らしを見返して、今の状況に合わせて調整していくことです。つまりは、必要なことと不要なことを見極めて、本当に必要なことを的確に暮らしの中に配置していくことです。