イメージ(写真提供:Photo AC)
身近な人に看護・介護が必要になったとき、みなさんはどこに相談しますか?
総合的な相談先として、主治医の所属機関を問わず、活用できるのが「訪問看護ステーション」です。
その地域に開かれた独立した事業所である「訪問看護ステーション」に、黎明期から関わり、自ら起ち上げた「桂乃貴メンタルヘルスケア・ハートフル訪問看護ステーション中目黒」で、自分自身も看護に当たるのが渡部貴子さん。
自らの経験を元に、介護や看護で困っている方への質問・疑問に答えてもらうのがこの連載です。第16回目は、「ヤングケアラーにさせない為に気を付けること」です。
(構成:野辺五月)

前回「介護や看護に困ったら【おとなの相談室】15」はこちら

中学生の17人に1人がヤングケアラー

Q:現在、母と息子(小学生)と娘(保育園)と暮らしています。夫とは離婚し、私の稼ぎが中心のため、母に息子・娘の面倒をお願いすることが多い状況です。娘が小さいこともあり、息子もいろいろお手伝いをしてくれているような状態です。

正直なところ聞き分けのよい子たちで助かってはいるのですが、ニュースでヤングケアラーの特集などを見るにつけて、今は母も元気なので大丈夫だとは思いますが、息子をヤングアラーにしてしまわないか?してしまっていないか?怖いです。とはいえ、仕事は辞められません。

この先どういうことに気を付けていくべきでしょうか。

A:ヤングケアラーとは「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもや若者」のことを指します。今現在中学生の17人に1人が家族の世話をしていると言われており、深刻な問題とされています。

2024年6月に成立した子ども・若者育成支援推進法では、ヤングケアラー支援を明文化し、18歳以上の若者にも切れ目ない支援を提供することを明確にしています。年齢が進んでからケアする側に回って、悩んでいる若者も多くなっているのです。