SNSやメディア上で、日々多くの言い合いや論争が繰り広げられる現代。「自分と異なる意見を持つ相手を『敵』と認定し、罵りあうだけでは何も解決しない。大事なのは『立場を超えて協力しあう視点をいかに共有するか?』という<メタ正義感覚>だ」と語るのは、経営コンサルタント・思想家の倉本圭造さんです。今回は、倉本さんの著書『論破という病-「分断の時代」の日本人の使命』より一部引用、再編集してお届けします。
「海外で活躍する日本人の愛国的提言」が受け入れられない理由
最近、ある外資系企業の日本トップを務めた日本人が、「今の日本がなぜダメなのか」について語る……という本を読んだのですが、この著者プロフィールだけで内容が完全に予測できてしまい、“あまりにもいつものパターン”で笑ってしまいました。
日本人はリスクを恐れすぎている。自己主張が足りない。減点主義だ。それに対して自分はこうやって成功した……という話が前半は続きます。
そして後半に、とってつけたように、「私は日本人の強みを信じている。治安の良さや丁寧さ、仕事への熱意は決して世界でも負けない」というような、本気なのかオベンチャラなのかよくわからない文章が続くわけです。
「そういうの読んだことある!」って思いますよね?