幼い頃の斉藤ナミさん
幼少のころの私。まだリッチなころ。父の愛車に乗って(写真提供:筆者 以下すべて)
noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬についてのエトセトラ」。第1回は「嫉妬とは何か」です

どす黒い何かが込み上げてくる

朝6時にスマホのアラームで目を覚まし布団の中でゴロゴロしていると、いつの間にか手が勝手にスマホのロックを解除し、SNSを開いている。

昨夜届いた「いいね」やコメントに目を通し、タイムラインをボーッと眺めていると、あるつぶやきで眠気が一気に吹っ飛んだ。
「えっ、この人また新しい本出すのっ!?」

知り合いのエッセイストの「本を出します」というお知らせに、たくさんの「いいね」や「おめでとうございます」のコメントが寄せられているのを見た瞬間、胃のあたりからグワっとどす黒い何かが込み上げてきて頭がカッと熱くなった。

……羨ましい。すごいね。どんどん有名になっていくじゃん。
それに比べて私は、本をまだ1冊しか出せていないし、彼女よりフォロワーも人気も少ない。なんだか「いいね」を寄せた人たちが全員、私のことを彼女より劣っていると言っているような気までする。