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「『豊かなセカンドライフ』は、ちゃんと準備すれば、誰にでも実現できます」と語るのは、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。井戸さんは、自分が最期を迎えるときに資産がちょうどゼロになるようにお金を設計していく<ゼロ活>という考え方をすすめています。今回は、井戸さんの著書『ゼロ活 ~お金を使い切り、豊かに生きる!~』から、後悔しない老後を送るためのメソッドを一部ご紹介します。

お金を貯めこむのはリスクでもある

資産を持ちすぎることは、あまり得策ではないと思っています。

私自身、あまり「貯蓄」と呼べるものを持っていません。もちろん、将来医療や介護のたま、必要になる資金は用意しています。他は、入ってくるお金で生活ができるよう予備費も含めて考えています。具体的には、NISAなどで長期の投資信託積立や国民年金基金、小規模企業共済を活用しています。お金を抱え込まないフロー(収支で考える)の方が良いと思っています。

その理由のひとつは、資産を貯めこむと詐欺などに狙われやすくなるからです。

最近はネット証券の口座が勝手に使われるフィッシング詐欺などの被害も多発しています。資産が大きければ大きいほど、ターゲットにされやすいもの。

せっかくの貯金がなくなってしまうのは悲しいですし、何より自分自身が危険にさらされるリスクを高めてしまうともいえるでしょう。