イメージ(写真提供:Photo AC)
身近な人に看護・介護が必要になったとき、みなさんはどこに相談しますか?
総合的な相談先として、主治医の所属機関を問わず、活用できるのが「訪問看護ステーション」です。
その地域に開かれた独立した事業所である「訪問看護ステーション」に、黎明期から関わり、自ら起ち上げた「桂乃貴メンタルヘルスケア・ハートフル訪問看護ステーション中目黒」で、自分自身も看護に当たるのが渡部貴子さん。
自らの経験を元に、介護や看護で困っている方への質問・疑問に答えてもらうのがこの連載です。第18回目は、「【自己回復】のヒント5選」です。(構成:野辺五月)

前回「ゴミ屋敷問題に直面したら「まず注意」ではなく行政や専門家につないで<地域の問題児扱い>すると孤立して悪化することも」はこちら

「気づくだけ」で回復は始まっています

Q:普段はしっかりものだと言われるのですが、最近、なんだか上手くいきません。特定の原因があるわけでもなく、ただ漠然と「しんどい」「もやもやしている」日が増えました。周りからは「気にしすぎだよ」「休めば大丈夫」と言われますが、どうすればこの状態から抜け出せるのか、見当もつきません。こんな時、何から考え、行動すれば良いのでしょうか?

A:漠然とした心の不調は、出口が見えず、とてもお辛いですよね。多くの方が経験する、この「なんとなく不調」な状態は、実はあなたの心が回復を求めているサインです。私たちは日々の看護の中で、そうした見えにくいサインを見つけ、回復のきっかけを掴むお手伝いをしています。今回は、あなたがご自身の力で心のバランスを取り戻すための5つのヒントを、一緒に見ていきましょう。

ヒント1:「気づくだけ」で回復は始まっています。

実は「疲れているんだな」と自覚する……どこかイライラしている自分に気づく、ということ自体がもう回復の1歩目なのです。何事も自覚から。分からないうちに倒れていた、気づけばぐったりしていたとなる前に、こうして声をあげている……これができているということは1歩目はクリアしています。

「しんどい」「つらい」「おかしいな」と思えたときが回復のはじまりなので、後は順番にヒント2~ヒント5をチェックしていきましょう。逆に言えば、「あれ?」と思ったら、いったん止まってください。気のせいにしてしまい、なかなか回復できないパターンもあります。