(写真提供:Photo AC)
心身の「なんとなく不調」に悩まされていませんか?脳神経内科医の山下明子さんは、身も心も癒やす方法として、マインドフルネスを取り入れた「食べる瞑想」を提案しています。これは、食事において「何を食べるか」ではなく「どのように食べるか」に焦点を当てた瞑想法です。そこで今回は、山下さんの著書『食べる瞑想:幸せな毎日が続く「新しい心の整え方」』から抜粋し、再編集してお届けします。

食事を終えたら口の中の感覚に集中してみて

「ごちそうさま」と言った後、いつも何をしていますか。

食器を台所へ片付けるために、椅子から立ち上がる人もいます。

テレビやスマホを見て、食後のひとときをゆっくり楽しむ人もいます。

しかし、どれも「食べる瞑想」の観点からすると正しくありません。

正解は「口の中の感覚に意識を向ける」です。

「ごちそうさま」と食事を終えたら、口の中の感覚に集中してみましょう。食べ物を口に入れたときには味や舌触り、熱さなどを自然と感じるものですが、食事を飲み込み終えて、なんの刺激もないときでも、必ず何かしらの感覚はあるはずです。

最後に食べた食材の香りは残っていますか?

口の中をなめてみると、どんな味がしますか?

食後の何も入っていない口の感覚を言葉で表現することは難しいかもしれませんが、まったくの無感覚ではないはずです。

感覚の解像度をグッと上げて、詳細に観察してみましょう。わずかな感覚も見逃さずに捉えようとすることで、あなたの感覚は研ぎ澄まされていきます。