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「思春期の子どもとの接し方がわからない」「理想の母親像と現実のギャップを受け入れられない」といった悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。歯科医と心理カウンセラーの二足のわらじを履く松谷英子さんは「子育てには、正解はなく、点数もつけられません。あなたは娘とともにオリジナルの子育て方法を見つけ出していけばいいのです」と語ります。今回は、松谷さんの著書『母と娘の関係を変える魔法の言葉術』から、母娘関係を良好に保つための秘訣を一部ご紹介します。

「叱る」から「諭す」へ

子どもは平気で「嘘」をつく。残念ながらそれが現実です。

私は夫から次の言葉を言われるまで、そのことをすっかり忘れていました。

「もしかして、子どもの言うことを信じているのか? もし、そうだとしたらそれはそうとうおめでたい話で、子どもがバカになるぞ」

自分を振り返ると、それも納得です。嘘をつくつもりでなくても、叱られたくない、怒られたくないという気持ちから、嘘をついた時期があるからです。

小学生の頃についた小さな嘘は可愛いものですが、嘘がクセになれば「嘘つきな大人=信用できない大人」ができあがります。友人関係や仕事でトラブルが起こったり、最終的には自分自身が嫌いになることでしょう。

だからこそ、子どもの嘘や過ちに対しての叱り方は、夫婦間で話し合っておかなければなりません。

叱ると怒るは異なります。感情的になるのは避けたいですが、ときには意図的に怒っているように演じることも大人の役割になります。母親と父親の役割を明確にしておくことも大切です。もし、どちらかが他界していたり、訳あって片親のときは、信頼できる誰かにその役目をしてもらうことをお勧めします。

あなたはなにもかもを1人で背負わなくていいのです。すべての役割をこなせるほど、人は器用でも強くもありません。だからこそ、人間は愛おしい存在なのです。

母親であるあなた自身が、誰かと協力して問題を乗り越えていく姿を子どもに見せてあげましょう。