シミ、シワ、抜け毛、むくみ、難聴、倦怠感、物忘れ――。それらの不調の原因は血流不足かもしれません。私たちの健康を司る血管寿命を延ばすには、消失した毛細血管を復活させることが必須です(構成:内山靖子 イラスト:銀杏早苗)
20代から劣化、80代で機能不全に……
心臓を中心に、体の隅々まで張り巡らされた血管。動脈は酸素や栄養を送り、静脈が老廃物や二酸化炭素といった不要な物質を回収することで、私たちの健康は支えられています。その機能は加齢によって低下してしまうものの、きちんとケアすれば、およそ100歳まで血管寿命を維持することが可能です。
一方で、運動不足や食生活の乱れ、喫煙、ストレスは、血管の劣化を加速させる原因に。早い人では20代から傷み始め、80歳を前に機能不全を引き起こすこともあるので注意が必要です。
一般に血管の劣化といえば、動脈が硬くなる動脈硬化を思い浮かべる人が多いでしょう。それが引き金となって起こる心筋梗塞や脳梗塞などは突然死に繋がる可能性が高いため、動脈や静脈の劣化を防ぐのは重要なこと。
しかし最近の研究で、血液が隅々まで流れなくなることで毛細血管が消失してしまう《ゴースト化》が、内臓や肌の老化、健康状態に大きく関与していることがわかってきたのです。