リズムに乗って踊ることは、実はシニア世代にうれしい効果がたくさん。「TRF」のメンバー・SAMさん考案の振り付けを、一緒に楽しんでみましょう(構成=上田恵子 撮影=本社・武田裕介)
筋肉や関節の衰えを防ぐエクササイズ
僕は「TRF」で活動するとともに、ダンスの指導を行っています。そんななか、「シニア向けの振り付けがあったらいいのに」という声をいただいたんです。
ダンスを踊ったことのない70~80代の方に楽しんでもらえる振り付け――。あれこれ試行錯誤して形にすると、リハビリにぴったりだと医師に目をとめていただけたのです。それが、10年ほど前のこと。
そもそも、ダンスは全身を使う有酸素運動。筋肉や関節の衰えを防ぐには効果的なエクササイズです。そのうえ音楽に合わせて上半身と下半身で異なる動きをしたり、振り付けを覚えたりと頭を使うので、認知症予防の脳トレ効果が期待できます。
僕は、老化について科学的に研究する学問・ジェロントロジー(老年学)について、南カリフォルニア大学のオンライン講座で2年ほど勉強しました。
それによると、筋肉は何歳からでも鍛えられ強くなるのだそう。フレイル(虚弱)を防ぐためにも、シニア世代こそ身体を動かす習慣が必要だと感じました。
運動は苦手という方もいらっしゃいますが、身体を動かしたり、音楽を聴いたりすることは、ポジティブな影響を与えます。「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されるため、リラックスして心が落ち着くのだとか。寝る前に筋トレやストレッチをすると寝つきがよくなるのもそのためです。