出るも出ないも悩みの種。おなかの具合に振り回されて……。梅原恵子さん(仮名・東京都・無職・65歳)は、下痢に悩まされて20年。思い出すのも恥ずかしい失敗談がたくさんあるそうで――。
ホッとした瞬間尻の蓋が外れて
友人のインスタグラムやブログを見ると、「今日はふわっふわのかき氷を食べた」「ここのフルーツパフェは生クリームがたっぷりで最高!」などと、無邪気な投稿がたくさん目にとまる。
それらを見るたび「いいなあ、私も食べたいな」と心底思うが、おなかに手を当て、やっぱり無理だとため息をつく。だって私は下痢に悩まされて20年。思い出すのも恥ずかしい失敗談は数知れずなのだから。
いいかげん学習すればいいのに、先日も大失敗をやらかした。猛暑が続く8月末のこと、友人が車を出してくれるというので、2人でショッピングへ出かけることに。友人とのお出かけは楽しくて、広い店内を隅々まで歩きまわった。
互いの買い物が一段落したところで今度はランチへ。施設内は冷房が利いているとはいえ、疲れてのどはからっから。席に着いて出された氷入りの水が、魅力的に目に映る。普段なら冷たい飲み物は絶対に口にしないけれど、一杯くらいいいよね……と、欲望に抗えずグイッと飲み干した。のどを伝って、体中に水分が一気に染みわたる! とても美味しくて幸せな気持ちになった。
しかしこの一杯を、すぐに後悔することになる。帰りの車中で、突然ぎゅるるるると腸が動き出したのだ。肛門に力を入れて便意を誤魔化そうとするものの、そんなの効くわけがない。
急に黙りこくった私を友人は怪訝そうに見ていたが、もうおなかは崩壊寸前。一刻も早くトイレに駆け込みたい。挨拶もそこそこに家の近くで降ろしてもらうと、体に振動を与えないよう、決死の形相でペンギンのごとく歩を進める。大通りを渡り小路に入って、あの曲がり角まで行けばわが家!
ところが自宅が見えた瞬間、ホッとして尻の蓋が外れてしまった。一度決壊したら途中で止めることもできず、ただただ茫然と立ち尽くす。我に返ると、誰にも会いませんようにと願いながら、ほうほうの体で帰宅。汚してしまった下着を洗いながら、恥ずかしさと情けなさに涙も出なかった。