ストレスや不規則な生活習慣によって、自律神経のバランスは崩れがち。心身のさまざまな不調にも繋がります。肺を動かしている筋肉を意識した呼吸で、自律神経に直接アプローチしましょう(構成:山田真理)
吸って吐く呼吸は間違っている
早足で歩いただけで息が切れる、休んでも疲れがとれない、手足が冷える――。こうした不調を感じる場合、呼吸力が低下しているかもしれません。
私たちは毎日、無意識に呼吸をして空気を出し入れしています。しかし、正しい呼吸ができている人はほとんどいないのが現状です。現代人は不規則な生活やストレスの影響で自律神経が乱れやすく、安静時も浅く速い口呼吸をしている人が非常に多い。私はこれを、「ハアハア呼吸」と呼んでいます。
とくにシニア世代は、肺のまわりにある「呼吸筋」の柔軟性が低下し、呼吸が浅くなりがちです。
また、コロナ禍のマスク生活、長時間のスマホ操作や家事などによる前かがみの姿勢もハアハア呼吸の原因に。効率よく酸素を取り込める鼻呼吸よりも筋力を使わずラクに行えるため、癖になってしまいます。
その結果、息苦しさを感じたり、肩こり、頭痛、慢性疲労、睡眠障害、冷え、免疫力の低下といった不調を招くのです。
自覚がない場合も、肺という臓器は目立った症状が出にくいため、気づかないうちに呼吸力が弱っている可能性があります。ご自身がどのくらいの状態か、次ページのリストで確認してみてください。