国際中医薬膳師の瀬戸佳子さん(左)と女優の秋吉久美子さん(右)(撮影:清水朝子)
女性の体は、年を重ねるとさまざまな不調をためこみやすくなるもの。女優の秋吉久美子さんも、そんな悩みを抱えているそうで……。国際中医薬膳師の瀬戸佳子さんが、体のめぐりをよくして、すこやかに暮らす秘訣を教えます。(構成:平林理恵 撮影:清水朝子)

前編よりつづく

炭水化物は体質と相談しながら

秋吉 ところで炭水化物はどうなんでしょうか。私は健康のために炭水化物を控えていたのですが、ご著書によると、穀類、特にお米は大事であると。

瀬戸 食べすぎはもちろんよくないのですが、摂らなすぎも問題です。お米は、薬膳では胃腸の調子を整え、元気をつけるものであり、気血が不足している人には、むしろ欠かせない食品。

旧字の「氣」の中には「米」という字が入っていますよね。これは先人たちが、お米に秘められたエネルギーを感じ取っていたからで、お米を食べることは体に「氣」を取り込む意味合いがあったと考えられます。

秋吉 お米についてもうひとつ伺ってもいいですか。先生は気血を養うためには白米がよいと提唱なさっていますが、これまでの健康常識とは異なっている気がして。私が生まれ育った家では、家族の健康のためにと、ずっと玄米ごはんだったんです。

瀬戸 もちろん玄米には白米にない栄養素がたくさん入っているので、食べていただくのはとてもいいことです。ただ、胃腸が疲れていて、気血が不足しがちな人の場合、玄米が消化の負担になってしまうこともある。体質や体調と相談しながらとり入れる必要があります。