(イラスト:ハニュウミキ)
野村総合研究所が行った『里帰り出産等の実態に関する調査研究事業報告書』(2024年4月)によると、産婦の約5割が出産前後に里帰りをしており、期間は1~2カ月間が約28%と最も多い結果となっている。
人生には思いがけない出来事がつきもの。せっかく貯めた老後資金が目減りしていく――村川優実さん(仮名・青森県・無職・63歳)は、2人目を出産する娘の里帰り出産を上の子と共に迎えることに。孫のお世話の負担はそれほどではなかったが、ショックだったのは……。
人生には思いがけない出来事がつきもの。せっかく貯めた老後資金が目減りしていく――村川優実さん(仮名・青森県・無職・63歳)は、2人目を出産する娘の里帰り出産を上の子と共に迎えることに。孫のお世話の負担はそれほどではなかったが、ショックだったのは……。
山ほど買った食材はどこに消えたの?
娘が2人目を出産するため里帰りしてきたのは4月のこと。予定日は8月だからまだまだ間があったが、長引くつわりと切迫早産の危険性、妊娠糖尿病があるうえ、上の子はまだ1歳10ヵ月でイヤイヤ期真っ直中。
車で片道8時間の距離に住んでいる私たちは、コロナ禍もあって、孫にはほとんど会ったことがない。小さい子のお世話は何十年ぶりでもあり、上手くできるだろうか。具合が悪い娘は無事に出産できるかな……と、あれやこれや不安でいっぱい。
しかし実際に迎えてみると、心配は杞憂に終わった。孫はママの調子が良くないと子ども心にもわかるのか、「バアバ、バアバ」とすぐに私になついてくれた。
夫婦2人だけの静かな生活は、一気に賑やかに。孫は、朝から晩まで動き回りパワー全開、一緒にいるだけであっという間に1日が過ぎていく。
世間では、孫のお世話に体力がついていかないという悩みをよく聞くが、まったく負担にならなかった。
だが、そんな私を悩ませ打ちのめしたのは、莫大なお金が湯水のように出ていくことだった。昼ご飯ひとつとっても、私と夫だけならうどんやパンで十分だが、孫が食べるとなれば、肉ならひき肉、魚なら骨取りしたものなどを購入する。もちろん、おやつも必要だ。
さらに、妊娠糖尿病の娘は、食べられるものが限られる。なるべく糖質を少なくして、タンパク質や野菜をしっかり摂るように工夫しないといけない。毎日スーパーで買う食材は、自転車の前と後ろのカゴに詰め込み、さらにハンドルにまで袋をぶらさげるほどの量だ。
レジでお金を払うとき、想定をはるかに上回る金額を見て茫然とすることがよくあった。その食材は、「いったいどこに消えたの?」と思うくらい、1日できれいになくなる。