孫は、今までと違う環境なのに、ご機嫌で遊んでいる。絶対安静と言われている娘は、座って折り紙をするなど、できることを一生懸命やっている……。皆、出産を前にして頑張っているではないか。
少しくらいお金がかかってもいい。家電も旅行もいらない。赤ちゃんが無事に生まれてくれれば! 上の孫が明るく過ごすことができれば! 今できる限りのことをしてあげよう。
吹っ切れた私は、必要以上の節約をやめることを決意。心配になったときは、「お金がかかるのは今だけ、今だけ」と心の中で唱えるようにした。
そして輝かしいほどの夏の日、元気な男の子が誕生したのだ。母子ともにすこぶる健康。もちろん上の孫も元気いっぱいだ。娘は「ありがとう。皆のおかげで無事出産できた」と、晴れ晴れとした笑顔で言ってくれた。
あの賑やかな里帰り出産から2年、時々届く写真を見ると、孫2人は子犬がじゃれあうように仲が良い。明るくのびのびと育っているようだ。
今でも部屋の片付けをしていると、孫が当時描いた絵やシール遊びをした紙が、押し入れの中から出てくる。そして、毎日食材を買っては自転車を必死に漕ぎ、お金のことでクヨクヨ悩んだ自分を懐かしく思い出すのだ。