トイレの水を流すのは2回に1回にして

そこで、今の自分にできることを考え、1週間、節約を実行することにした。心を鬼にして必要なものだけを買うと決め、スーパーでは、孫が好きなアンパンマンポテトの棚を素通りし、娘のためにいつも買っていたタンパク質いっぱいのヨーグルトも見て見ぬふり。

ほんの少しの食材だけ買って帰宅した私は、「みんなが好きなものは売り切れだったよ」と、ケロッとして言った。「ふーん、うりきれ?」と回らぬ舌で言う孫の無邪気さにチクリと胸が痛んだ。

お絵描き帳ももちろん買わない。娘が学生時代に使っていた英語ノートを押し入れから引っ張り出して使わせる。白紙のページがなくて描きにくいせいか、孫は「お・し・ま・い」とノートをすぐに閉じてしまった。

折り紙遊びも、折り線だらけでヨレヨレの紙ではうまくできない。「フー」とため息をついて早々に諦める姿に、また胸が痛んだ。

妊娠のため頻尿になっている娘には、トイレの水を流すのは2回に1回にするよう指示。便器の中には流しきれないペーパーが常に浮かぶようになった。

心がぎしぎしするような1週間を過ごした後、私の鬼気迫る節約の様子を見かねたのだろう。「お金って使うためにあるのではないか。今使わないでいつ使うのか?」と、静かに、でも毅然と言ってくれたのは夫だった。

普段はあまり口出ししない彼の言葉に私はハッとした。節約しすぎて本末転倒になっていたのではないか。今一番大事なのは、娘が無事出産を迎えること、家族皆が笑顔でいることのはず。