「あのまま飲み続けていたら、古希は迎えていなかったと思いますから」(撮影:浅井佳代子)
人生の転換期が訪れるたびに、『婦人公論』に登場してくださっている上沼恵美子さん。今年は「70歳」という大きな節目―日々の暮らしや気持ちに変化はあったのでしょうか。(撮影:浅井佳代子 構成:篠藤ゆり)

前編よりつづく

世間から年寄りだと言われているようで

70歳になって不調を感じたりするのかと思いましたけど、50代、60代の頃より元気になりました。

40代の頃は1日にビールを20缶飲んでいたんです。どうしてそんなことしてたんやろ(笑)。仕事で忙しかったからかな。

ふわっとした気持ちよさを持続させたくて、次から次へ飲んでしまう。翌日は必ず二日酔い。その繰り返しでした。

ところが58歳の時、牡蠣にあたって死にかけましてね。それを境にほとんど飲めなくなったんです。きっとあの時、生かされたんでしょうね。あのまま飲み続けていたら、古希は迎えていなかったと思いますから。

ただね、自律神経失調症と言うんですか? 低気圧頭痛があって、雨の前に「そろそろ降るわ」とわかるんです。そして少しだけめまいがする。夫から「お前はカエルか」なんて言われるんですけどね。

めまい用の薬をもらっていますが、最近は飲む回数が少なくなりました。ストレスをうまくかわせるようになったからかもしれません。