日中関係の緊張が高まっている現在ですが、中国ウォッチャーとして知られる講談社特別編集委員・近藤大介さんは、「中国及び中国大陸の民との葛藤の多くは、相互の理解不足から起こっている」とし、まずは「ほんとうの中国」を知ることから始めるべきだと語ります。そこで今回は、近藤さんの著書『ほんとうの中国 日本人が知らない思考と行動原理』から抜粋し、中国社会の実態をお伝えします。
ハイリスク社会
古代の中国大陸は、まさに弱肉強食の世界だった。広大な平原の周囲360度から、24時間365日、いつ何者が襲ってくるか知れない。特に、勇猛果敢な騎馬民族の襲来を恐れた。
そのため、中国社会を一言で言い表すとしたら、日本とは比較にならないハイリスク社会である。
今世紀の初頭になって、江沢民主席が「いまやわが国は国境の懸念がなくなった」と誇った。
その後、胡錦濤政権初期の2004年に、ロシアとの4249kmもの長い国境を完全に画定。未画定なのは、ヒマラヤ山脈沿いのインドとブータンとの国境だけになった。