(撮影:本社・武田裕介)
世界的に知られる尼僧である青山俊董さんは、5歳のときに仏の道へ。禅の普及に努めながら、多くの悩める人々に教えを説いてこられました。「人生は幸せを求めての旅」と語る老師に、よりよく生きるためのヒントを聞きます(構成;野田敦子 撮影:本社・武田裕介)

前編よりつづく

私が変われば世界が変わる

家庭や職場、趣味の集いなど行く先々で人間関係がうまくいかないと嘆く人がいます。その原因はどこにあるのでしょう。

お釈迦さまは、「法句経(ほっくきょう)」のなかで「村の中に 森の中に はた海に はた陸に 心あるもの 住みとどまらんに なべてみな 楽土なり」とおっしゃっています。心ある人の行くところはどこも楽土になり、心ない人が行くところはどこでも地獄になるのだ、と。

この教えを口にするたび、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の足跡に思いを馳せるのです。1207年、親鸞さまは当時、異端とされた専修念仏(ほかの行をせず、念仏だけを唱えること)を広めたため、南都北嶺(奈良の興福寺と比叡山の延暦寺)の方々から非難され、越後に流されました。

しかし途中の手取(てどり)川が氾濫し、仕方なく天台宗の寺に滞在することになったのです。寺の僧侶たちにとっては寝耳に水。流罪人を受け入れるなど、迷惑千万だったに違いありません。

ところが、またたく間に親鸞さまのお人柄に魅了され、心酔するようになるのです。最終的には、天台宗から浄土真宗に改宗してしまうほどに。