内館牧子(うちだて・まきこ)
1948年秋田県生まれ。武蔵野美術大学卒業後、会社勤務を経て、88年脚本家デビュー。『ひらり』『毛利元就』など数々のドラマの脚本を手掛けながら、2000年から女性初となる日本相撲協会横綱審議委員を約10年間務めた。03年に東北大学大学院入学。高齢者を描いた小説『終わった人』『今度生まれたら』『すぐ死ぬんだから』『老害の人』が話題を呼んだ(撮影:宮崎貢司)
脚本家・小説家として数々のヒット作を世に送り出してきたほか、女性初となる日本相撲協会横綱審議委員を務めるなど多方面で活躍した内館牧子さんが、2025年12月に逝去されました。享年77。30年以上の長きにわたって親交のあったノンフィクション作家の吉永みち子さんが、思い出の日々を語ります(構成:篠藤ゆり)

プロレス観戦が毎年の恒例行事に

内館牧子さんと最後に会ったのは2025年2月、雑誌の対談でした。内館さんが『迷惑な終活』という小説を書いたことから終活の話になって、「私たちが95歳と93歳になった時にも競馬と相撲の話をしよう」と盛り上がってね。すごく元気だったのに……。

それから4ヵ月後の6月にも一緒の仕事の予定があったのだけど、体調が悪いので欠席と連絡がありました。さらに次の予定もキャンセルで、いささか不安になって内館さんの秘書さんに連絡してみたのです。

「お見舞いに行きたい」と伝えたけれど、「今は難しい」というような返答だったから、もしかしたら容体が芳しくないのかな……と心配しつつ連絡を待つことにしました。そうしたら、12月に訃報が。まさか突然のお別れになるとは、思ってもみませんでした。

出会いは1992年、彼女が44歳で私が42歳の時。NHK連続テレビ小説『ひらり』の脚本を書いていた内館さんにインタビュー取材をお願いして、初めてお目にかかりました。会うまでは怖い人かなと思っていたけれど、すごく楽しく話せてね。後日、共通の知人を交えて一緒に食事に行くことになりました。

皆さんご存じのとおり、内館さんは相撲が大好きで、私は競馬が好き。でも、話しているうちにどちらもプロレスが好きだという共通点が見つかって、「今度プロレスを観に行こう!」と盛り上がったの。