西日本豪雨やコロナ禍など、さまざまな試練を乗り越えながら、挑戦と進化を続ける酒造メーカー「獺祭」。5月13日から26日まで、東京・日本橋三越本店で「獺祭」がアーティストとコラボレートしたPOPUPイベントが開催された。獺祭の会長、桜井博志氏の経営哲学に漫画家・弘兼憲史氏が迫った『漫画 懲りない親父、世界へ挑む 獺祭 進化する伝統』(中央公論新社刊)も会場に置かれ、5月16日には弘兼氏と桜井会長のトークショーが開催された。
(取材・文:婦人公論.jp編集部)
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「旭酒造」から「獺祭」へと社名変更
山口県・岩国にある獺祭の蔵。その地を実際に訪れ、インスピレーションを受けたアーティストたちが生み出した作品が並ぶ三越本館1階の会場は多くの来場者で賑わった。試飲スペースが設置されたカウンター前に桜井博志会長と弘兼憲史氏が登場。元テレビ朝日アナウンサーの松井康真氏の軽妙な司会で、『漫画 懲りない親父、世界へ挑む 獺祭 進化する伝統』に描かれた桜井会長や獺祭の歩みや挑戦についてざっくばらんに語り合った。
本館1階フロアの女神像の下に設置されたポップアップ(撮影:婦人公論.jp)
今や世界への日本酒の輸出の2割を占める獺祭。1990年に「獺祭」を販売開始、2025年の6月に「旭酒造株式会社」から「獺祭」へと社名変更した。
「社名が旭酒造だったころは 、海外にセールスに行くとビール会社か新聞かって言われてました」と桜井会長。弘兼氏も岩国市の出身というご縁で親交が深い。
(写真提供:獺祭)
「家業を継いだ時には売り上げが10年で3分の1になっていて、これはまずいなと思った」という桜井氏に、弘兼氏が「会長は大学卒業後、日本盛さんで働いていたんですよね。外の釜の飯を食ってこいということで。それで会社に戻ったら先代と意見が合わずクビになり、石材屋を始めて奥様のおかげで大当たり。先代が亡くなって蔵に戻ったら今度は杜氏と揉めて出て行かれ、自分たちでつくり始めたんですよね」と会長の紆余曲折をかいつまんで説明、会場は笑いに包まれた。
(写真提供:獺祭)
「日本酒は2種類。日本酒か、純米大吟醸かですね」と松井アナ。「特級酒、2級酒の時代もありました」と桜井会長。弘兼氏が「 日本酒は量を飲んで酔わせる時代でしたよね。大学時代はどんぶりで飲まされた」と言えば、「僕は理工学部なんでヘルメット一気やらされました」と松井アナが答える。